人事制度の作り方【6ステップ】失敗しないための「等級・評価・報酬」設計手法
- 人材育成
- 評価
- モチベーション
- 成長
「人事制度の作り方がわからない」
「人事制度を作ったけど機能していない」
「そもそも人事制度には何が必要?」
このような悩みを抱える方も多いでしょう。人事制度が思うように機能せず、悩みを抱える人事や経営者は多くいます。
人事制度を機能させるためには、適切な設計と運用が欠かせません。優れた制度を作るだけではなく、実際に運用できるかどうかまでが大切です。
この記事では、事業戦略の実現や従業員の成長にもつながる人事制度の作り方を6ステップで解説します。人事配置だけではなく採用や育成にも関わる内容なので、ぜひご覧ください。
目次
人事制度の全体像と「求める人材」
人事制度とは、従業員の評価や給与、ポジションなどを定めた制度のことです。「自社の処遇に対するルールブック」ともいえます。
人事制度を明確にし、制度に基づいた評価を行うことで公平性の高い企業運営を実現できます。公平性が高まることで、従業員の納得感やモチベーションアップにもつながるでしょう。
また、人事制度にはもう一つ重要な意義があります。それは、「企業がどのような人材を必要としているのか」を届ける役割です。
- どのような人材を採用したいのか
- どのような人材に育てたいのか
- どのような人材を評価するのか
これらの要素に一貫性がないと本当に必要な人材を生み出せず、経営戦略や事業戦略の実現につながりません。人事制度は給与やポジションを決めるためだけではなく、自社が「求める人材」を明確にする指標となるのです。
人事制度で最も重要なのは、この経営・事業戦略を実現するために「求める人材」はどのような人材であるかを明確にすることです。
人事制度を構成する3要素(等級・評価・報酬)
人事制度を構成する要素として、「等級」「評価」「報酬」の3要素があります。
- 等級:社員のランクと社員に期待する役割を定める
- 評価:発揮してほしい能力や成果を測定する
- 報酬:評価をもとに給与や賞与へ反映する
まず、等級とは従業員を能力や役割に応じて分類したものです。等級ごとにどのような役割を期待し、成長してほしいのかを定めています。
次に、評価とは発揮してほしい能力や成果を明示し、測定するための基準です。等級ごとに評価基準を明示し、基準に達しているかどうかを判断します。
最後に、報酬は評価をもとに給与や賞与へと反映する仕組みのことです。会社として、一人ひとりの貢献に対してどのような報酬を与えるかを明示します。
この3つはそれぞれ関連性があり、人事制度を設計するうえで欠かせないポイントです。要素を独立させるのではなく、連動して仕組みを考える必要があります。
たとえば、評価は等級に応じて評価項目や基準が変わります。また、評価に応じて報酬をどれだけ渡すかも変わるでしょう。
さらに、等級は従業員の評価に応じてどのランクに配属するかを見直します。加えて、等級が変われば報酬の額も変わってくるでしょう。
このように、人事制度では「等級・評価・報酬」の3つが欠かせません。それぞれが大切であることを理解し、人事制度の設計に臨む必要があります。
設計には「正しい順序」がある
人事制度を設計する順番は、「等級 → 評価 → 報酬」の順番で行いましょう。等級は人事制度における骨格、評価は中身、報酬は出口となります。
- 等級制度:社員のランクと期待役割(骨格)
- 評価制度:能力や成果の測定(中身)
- 報酬制度:給与や賞与への反映(出口)
等級制度から決める理由は、「求める人材」には新入社員〜部長クラスまで様々なレベル感の人材がいて、後に続く評価制度、報酬制度の内容はそのレベル感(=等級段階)によって異なるものになるためです。
等級制度の次に決めるのが評価制度です。従業員の頑張りに報いる適正な報酬を与えるためには、正しい評価制度が必要となります。
誤った評価だと、従業員が報酬に納得できずに退職する場合が出てくるでしょう。また、必要以上に多くの報酬を支払ってしまい、人件費が増えすぎる可能性もあります。
最後に決めるのが報酬制度です。評価に対して適正かはもちろん、自社の経営状況に合わせて適正かも考えなければなりません。
このように、人事制度は「等級 → 評価 → 報酬」の順番で決めることで、スムーズかつ適切に設計することができます。具体的にどのような順序で決めていくかは、次の項目で解説します。
人事制度の作り方・6つのステップ
人事制度を作る際は、以下の6ステップで行いましょう。
- Step.1 「求める人材」の能力要素を設定する
- Step.2 等級制度の設計(骨組みを作る)
- Step.3 評価制度の設計(中身を作る)
- Step.4 報酬制度の設計(出口を作る)
- Step.5 仮評価・シミュレーションの実施
- Step.6 「求める人材」の明文化
それぞれのポイントを具体的に解説するので、参考にしてください。
Step.1 「求める人材」の能力要素を設定する
人事制度を設計するうえで最も大切なことは、「求める人材」を明確に定めることです。求める人材が定まらないと、人事制度はもちろん事業戦略も機能しません。
基本的に、企業は人事制度で定めた「求める人材」をもとに採用や育成、評価を行います。そのため、求める人材が決まっていないと以下のような状況を引き起こすのです。
- 採用基準が曖昧で必要な人材がわからない
- 必要な能力がわからず育成できない
- 発揮してほしい能力・行動が決まっておらず評価できない
求める人材の能力や要素を定めることは、人事制度の土台になります。代表や経営陣を交えて、どのような能力要素が必要かを考えてください。
また、「求める人材」を考えるためには、「ミッション・ビジョン・事業戦略」との接続で考えましょう。特に、事業戦略を実現するために必要な能力を考えてみてください。
具体的には、自社で現在活躍している人材(ハイパフォーマー)を分析し、必要なコンピテンシーを洗い出します。
コンピテンシーとは、「自社で活躍する人材に共通する、高い成果を出すための行動特性」です。「求める人材」に必要な能力要素があって、その能力を発揮している状態(=発揮能力、発揮行動)をコンピテンシーととらえていただくとよいです。
職種や業務内容が異なっても、活躍する人には共通する行動特性があります。たとえば、営業成績の高いセールスがいたとします。そのセールスには、以下の行動がみられました。
- 事前のヒアリングをもとに、最適なアプローチ時期を決めていた
- インサイドセールス部隊がアポをとれるように、フィードバックを欠かさない
このようなセールスには、ニーズ予測からアプローチ時期を決める「計画策定力」、インサイドセールス部隊との連携を行う「チームワーク」が備わっているといえるでしょう。
一方で、エンジニアの場合では、以下のような人材が高い成果を出していました。
- トラブル発生もふまえた開発計画を事前に設定している
- 営業が商談を行いやすいように、ヒアリング内容を開発に反映している
このようなエンジニアには、トラブルも踏まえて計画を立てる「計画策定力」、営業と連携をとる「チームワーク」が備わっているといえます。
これらの営業とエンジニアは、どちらも「計画策定力」「チームワーク」を発揮して高い成果を挙げています。このように、部署が変わっても成果を出せる能力や特性のことを「コンピテンシー」と呼ぶのです。
また、求める人材を考える際は、現在活躍する人材だけではなく、「未来の理想の人材」も考えるようにしましょう。事業戦略は一般的に、数年後など将来の状況を目指して進んでいるためです。
現在活躍している人材が、戦略の変わった将来も同じように活躍できるとは限りません。事業戦略に合わせて人材も成長する必要があるため、どのような能力を持っていることが理想かも合わせて考えてください。
Step.2 等級制度の設計(骨組みを作る)
等級(グレード)制度では、「何段階にするのか」「それぞれどのようなレベル感か」の2つを考えましょう。
等級の段数を決める際は、5〜7段階がおすすめです。等級が多すぎるとそれぞれの違いがわからなくなり、評価も難しくなります。
等級制度の例として、以下のような設計ができます。
G6 | ゼネラルマネージャークラス | 部〜本部レベルの組織におけるリーダーシップの発揮とマネジメントができる。 |
G5 | マネージャークラス | チーム〜課レベルの組織におけるリーダーシップの発揮とマネジメントができる。 |
G4 | 管理職候補 | 安定的に成果に繋げられる質の高いパフォーマンスを発揮できる。かつ、他のメンバーに教えられる。 |
G3 | 率先垂範 | 安定的に成果に繋げられる質の高いパフォーマンスを発揮できる。 |
G2 | 独力完遂 | 独力で業務を完遂できる |
G1 | サポートが必要 | サポートがあれば業務を完遂できる |
それぞれの等級で、どのようなレベルなのか一言で説明できるようにしておきましょう。説明を加えておくことで、等級に対する認識のズレを防ぐことができます。
また、等級制度を決める際は、垂直型(単線型)にするか分岐型(複線型)にするかを考えましょう。垂直型とは、上記例のようにグレードが上がっても分岐せず、そのまま等級が上がっていく仕組みを指します。
一方で、分岐型はグレードの途中でマネジメントとスペシャリストに分岐する仕組みです。たとえば、以下のように管理職候補からマネージャーを目指す人材と分野のスペシャリストを目指す人材に分かれます。
M2 | ゼネラルマネージャークラス | S2 | プロフェッショナル |
M1 | マネージャークラス | S1 | スペシャリスト |
G4 | 管理職候補 | ||
G3 | 率先垂範 | ||
G2 | 独力完遂 | ||
G1 | サポートが必要 | ||
等級制度を決める際は、基本的に垂直型か分岐型の2択になります。自社の状況に合わせて、どちらの制度の方が良いか検討してください。
Step.3 評価制度の設計(中身を作る)
評価制度を作る際は、「どのような能力を発揮して欲しいか」を基準に決めましょう。「求める人材」の際に決めた能力(コンピテンシー)の中から、等級ごとにどの能力(コンピテンシー)を発揮してほしいかを選びます。
また、評価制度は「行動評価(プロセス)」と「成果評価(結果)」の2軸で考えるのが基本です。コンピテンシーなどのプロセスにおける発揮行動・発揮能力だけでなく、期初の目標をどれだけ達成できたかという「成果」もあわせて評価できるよう設計しましょう。
ここでは、主に行動評価(コンピテンシー)の項目の選び方を解説します。
たとえば、以下は汎用的なコンピテンシーの例になります。
- 問題解決力
- 実行完遂力
- 業務知識・スキルの発揮
- コミュニケーション力
- チームワーク
- 人材育成・動機づけ
評価するコンピテンシーを決めたら、等級ごとにどのコンピテンシーが必要か考えます。たとえば、等級「G1新卒」はこれから成長する人材であり、成果を出すには問題解決力から業務知識・スキルの発揮まですべてのコンピテンシーを発揮する必要があります。
一方で、等級M1のマネージャークラスになるとコミュニケーション力を持っていることは当然です。そのため、コミュニケーション力を評価から外し、より重視したい「チームワーク」を評価基準として残すといった運用が考えられます。
また、評価対象とするコンピテンシー(評価項目)を決める際は、まず「10個以内」に絞るのが鉄則です。全等級に共通する評価項目については、5個以内を目指して考えるようにしてください。
評価項目を絞るのは、人事制度の運用を行いやすくするためです。評価項目が多いと重複する要素が増え、評価差が曖昧になってしまいます。
また、評価項目が多いと育成時に必要となるコンピテンシーが増え、結果としてすべてを育て切るのが難しくなります。人事制度を失敗せずに動かすためにも、評価制度の中身はシンプルにしてください。
等級ごとの評価基準(行動具体例)を言語化する
明確な評価ができるように、等級ごとの評価基準を明確にしましょう。同じ評価項目であっても、等級ごとに求められるレベルは異なるためです。
たとえば、「問題解決力」の評価基準を決めるとします。「サポートが必要」レベルの等級であれば、「必要に応じて上⻑や先輩のサポートがあれば、あるべき姿(目標)と現状とのギャップ(=問題)を特定し、その原因を考え、アクションプランを立案し優先順位を決めて実行している。」といった評価基準ができるでしょう。
一方で、マネージャークラスになると、求められる問題解決力は変わります。「担当組織の課題を明確にし、メンバー一人ひとりの目標やアクションプランに展開している」のように、より上位の能力が求められるでしょう。
言語化する際のポイントは、「できる」「している」のように実現できているかどうかで表現することです。実際に行動として示せているかどうかで、評価するようにしてください。
ウエイト付けと評点基準(SS/S/A/Bなど)の設定
評価基準を明確にできたら、評価項目ごとのウエイトを考えましょう。全項目の評価を合算したら100%になるように、各項目の点数を決めていきます。
ウエイトを決める際は、役割ごとにウエイトを変えても問題ありません。たとえば、「営業はコミュニケーションが重要だからウエイトを高くする」「経理は実行完遂力のウエイトを上げる」のように設定できるでしょう。
最後に評点基準を決めることも忘れてはいけません。「SS・S・A・B」など、評価基準をどの程度実行できたかを表すための指標を定めましょう。
- SS:8割以上できており、内容も優れている
- S:8割以上できている
- A:5割以上8割未満の達成で、できていない部分もある
- B:3割以上5割未満の達成で、できていない部分が多い
評価基準は1から5までの5段階尺度よりも、4段階尺度などで決めるのがおすすめです。5段階評価だと無難な3をつけてしまう(中央化傾向)といった傾向があります。
Step.4 報酬制度の設計(出口を作る)
評価制度と連動する形で、報酬制度を作りましょう。報酬制度の基本は、「等級×評価点数」です。
評価点数に比例する給与テーブルを作成しておきましょう。以下は給与テーブルの一例です。
最終標語:目安点 | 給与 |
S:85-100点 | 32万円 |
A:70-84点 | 31万円 |
B:55-69点 | 30万円 |
C:40-54点 | 29万円 |
D:25-39点 | 28万円 |
また、給与テーブルを作成し、何度か運用を重ねて、報酬制度の中身も固まったら、等級ごとの年収レンジを全社員に開示することをおすすめします。評価基準と給与が明確になることで、従業員が納得でき、公平感もうまれるためです。
評価基準や給与テーブルが分からないと「自分が評価されているか分からない」「成果と給料が見合わない」と感じる従業員も出てきます。従業員のモチベーション維持のためにも、特に評価基準は開示するようにしてください。
市場相場と自社の人件費構造のバランス
報酬制度を考える際は、市場相場を参考にするのもおすすめです。給与テーブルを公開している企業もあるため、基準に迷った際は自社の給与テーブルと見比べてみましょう。
ただし、他社の給与テーブルをそのまま使用するのではなく、自社の経営状況もふまえて考えてください。経営状況は企業ごとに異なるため、自社の総人件費をいくらまで出せるのかの基準は決めておく必要があります。
Step.5 仮評価・シミュレーションの実施
評価制度ができたからといって、すぐに導入してはいけません。まずはテストを実施し、問題なく機能するかを確認しましょう。
まずは今在籍している社員を評価基準にあてはめ、評価に沿って給与がどれくらになるかを出します。もし、今の給与よりも大幅に少ない、または大幅に多い場合は評価基準や給与テーブルを見直しましょう。
仮評価やシミュレーションを行わずにいきなり正式実装を行うと、給与が上がりすぎて人件費が問題となり経営に大きなマイナス影響がでるかもしれません。また、逆に給与が下がりすぎ、従業員が不満に思い退職するケースも考えられます。
人事制度は作ったら終わりではなく、実際に機能するかどうかまで確かめなければなりません。「評価に納得できるか」「適正な人件費になるか」など、必ず仮運用と検証を行ってください。
Step.6 「求める人材」の文章化
ここまでの人事制度作成を踏まえて、求める人材を文章化しましょう。コンピテンシーなどの評価基準を定める過程を経て、自社にどのような人材が必要かよりクリアになっているはずです。
求める人材を文章化する理由は、採用や育成に活用するためです。
例えば「問題解決力とコミュニケーション能力が必要です」と必要なコンピテンシーだけ伝えても、どのような人材なのかはいまいちピンとこないでしょう。
評価基準から発展させ、分かりやすく文章化すれば、採用場面では「〇〇のような人材を求めています」と求人で使用でき、育成では「このような人材に育ってほしい、育てていきたい」と提示できます。
以下のように具体的に示すことで、どのような人材が求められているかがわかります。
- 「自ら課題を設定し、課題解決に向けて最後まで取り組める人材」
- 「チームワークを重視し、メンバーとともに目標を達成できる人材」
文章化したあとは、自社の事業戦略に紐づいているか確認しましょう。採用でも育成でも、事業戦略を実現できる人材であることが重要です。
制度の目的を全社に共有する
人事制度をなぜ運用するのか、目的を全社に伝えましょう。従業員が人事制度の目的を理解し、納得しているほど運用が成功しやすくなります。
人事制度が何のためにあるかを理解できていないと、どのように活用すれば良いか分かりません。制度を活用するモチベーションも上がらず、形骸化してしまいがちです。
一方で、「従業員にどのような人材に成長してほしいかを知ってもらうため」「適正な評価で適正な報酬を渡すため」などと目的を伝えれば、従業員の理解度が上がります。なんのために、どのように使うのかを理解でき、人事制度がより機能を発揮するのです。
失敗しないための「設計・運用のポイント」
人事制度は設計するだけではなく、運用できなければなりません。実際に運用できるように、設計の段階から制度を整えておきましょう。
人事制度の設計段階でよくある失敗が、制度を複雑にしてしまうことです。あれもしたいこれもしたいと内容を増やした結果、いざ運用すると動かしにくい制度ができあがります。
ここでは、失敗しないための設計・運用のポイントを解説するので参考にしてください。
複雑な制度は形骸化する(運用可能性を最優先に)
人事制度を機能させるために、「シンプルにすること」を意識しましょう。複雑な制度を作っても思うように機能せず、形だけの制度になってしまいます。
よくある悩みが「評価項目が多くて全てを評価できない」「評価基準が事業とずれていて正しい評価にならない」などの悩みです。どれだけ優れた制度も、運用できなければ効果を発揮しません。
評価基準は具体的かつ明文化してズレを防ぐ
作成した評価基準は全社員に開示して、全社員の認識がずれないようにしましょう。評価基準に対して同じ認識を持てるようにすることが、納得感や公平感にはとても大切です。
たとえば、上司がどのような基準で評価しているか分からない場合、評価に納得できない部下が反発する場合もあります。以下のように、評価基準へのズレも起こるでしょう。
- 上司:チームワークを発揮できていないから評価を下げた
- 部下:営業成績はトップだから評価が高いと思っていた
一方で、「チームワークを重視する」のように評価基準が明確で開示されていれば、上司も部下も納得して評価を受け入れられるはずです。
納得感を生む「フィードバック」の重要性
評価への納得感を生むためには、フィードバックの方法も重要です。伝え方を間違えると評価に納得してもらえず、上司と部下の関係は悪化します。
納得感を生むために行いたいのが、毎月の面談です。期末評価のような最終評価をする面談以外に、日常的に面談でフィードバックを行うようにしましょう。
月次面談は、以下の方法で進めるのがおすすめです。
- ここまでの成果と行動を確認する
- 目標や評価基準をもとに、良かった点を伝える
- 目標や評価基準をもとに、改善点を伝える
- 次回以降の目標や行動を決める
毎月面談を行っていれば、上司は期末面談で評価に迷うこともありません。部下も毎月フィードバックをもらっているため、自分ができていること、できていないことを理解できています。
普段からフィードバックを行っていれば、最終的には「言わなくても評価がある程度分かる」状態にまで達します。評価に対するコミュニケーションを繰り返すことで、評価に対する納得感が生まれるのです。
評価結果だけでなく、プロセス(1on1等)を重視する
納得感のあるフィードバックは、社員の成長にも影響します。自身への評価を理解し、もっと成長しようと「内発的動機づけ」が生まれるためです。
内発的動機づけとは、やりがいや興味関心など自身の内側から生まれるモチベーションのことです。成長に対する内発的動機づけが生まれることで、社員は自ら「パフォーマンスを向上させよう」と長期的に考え成長につながります。
内発的動機づけを生むために意識したいのは、フィードバックの方法です。成果だけではなく、実際の行動と評価基準に基づいたフィードバックを行ってください。
たとえば、「チームワーク」の評価基準が「メンバーとともに目標を達成できる人材」だったとしましょう。部下がメンバーとともに目標達成の「行動を起こしていたか」を評価します。
ポイントは「成果ではなく行動を評価する」「ポジティブなフィードバックを送る」の2点です。ネガティブなフィードバックは動機づけをなくし、成長につながりません。
まず、行動を評価することで、たとえ成果が出なくても行動に対する成長を実感できます。結果が出ていなくても、結果を出すまでのプロセス(行動)で努力したと認められます。
また、ポジティブなフィードバックを送ることで、「認めてもらえた」「成長できた」と肯定的に感じられる点もポイントです。自身の成長を実感し、「より成長するにはどうするか?」の視点で考えられるようになります。
人事制度はただ成果を評価するのではなく、育成にも反映できる制度です。社員の育成ができるように、納得感や成長実感を得られるフィードバックを意識しましょう。
まとめ:自社の「らしさ」を制度に込める
人事制度は経営戦略や事業戦略の実現に関わる重要な制度です。自社に合う設計と運用を行うことで、制度の効果は最大限に発揮されます。
人事制度を考える際のポイントは、自社の「らしさ」を入れることです。
具体的には評価制度で具体的な評価基準を決める際、社内でよく使っている「言葉」「文言」「言い回し」を使って、社内に浸透しやすいようにしましょう。
自社らしさを取り入れて、従業員に対してどのように成長してほしいかのメッセージを人事制度を通して伝えましょう。
人事制度に関する悩みを抱えているなら、本記事を参考に設計と運用を行ってみてください。正しい順序で設計し、シンプルな運用を行えば、自社らしい人事制度を機能させることができます。
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執筆者
FirstHR編集部
FirstHR編集部は、人事制度設計や評価運用をはじめとした人事領域に関する情報を発信しています。 実務に活かせる学びや考え方を大切にしながら、企業や人事担当者の皆さまに役立つコンテンツをお届けしています。