FirstHR logo

【人事評価の納得感調査】約4割が現在の評価に「不満あり」──データで見る“納得感”を引き出すためのポイントとは

  • 調査レポート
  • モチベーション
  • 評価
eyecatch

労働人口の減少が進むなか、限られた人員で事業を維持・成長させることは、多くの企業にとって大きな課題です。社員の定着や生産性向上を実現するために、納得感を持って働き続けられる組織づくりの重要性が高まっています。

そこで、人事評価への納得感とそれを左右する要因を把握するため、正社員数10名~100名未満の企業に所属する20歳~59歳の正社員267名を対象に調査を実施しました。

本調査の結果、給与額やルールの不透明さが不満に繋がる一方で、適切な「評価プロセス」の存在が納得度を高める傾向が見られました。

【本調査における主な結果】
・直近の人事評価や処遇に対して「納得していない」正社員は約4割に上る
・「評価プロセス」(目標設定、評価通知)がある層の「納得している」割合は7割以上
・納得できない理由の1位は「金額」、2位は「反映ルールが不明瞭」

※調査方法や対象者などの詳細については、後述の「調査の実施概要」をご覧ください。

主な調査結果

1.中小企業正社員の41.4%が、自身の評価・処遇に「納得していない」と回答

社員のモチベーションに影響を与える人事評価への納得感ですが、中小企業の現場ではどのような実態があるのでしょうか。直近1年間に評価や処遇決定の機会があった正社員を対象に、現在の納得度を調査しました。

「やや納得している(37.5%)」と「非常に納得している(14.6%)」を合わせた、納得している人の割合(納得率)は52.1%となりました。一方で、「あまり納得していない(29.0%)」と「全く納得していない(12.4%)」を合わせた、納得していない人の割合(非納得率)も41.4%に上る結果となっています。

現状の評価や処遇に納得している人が過半数ではあるものの、不満を抱いている人も少なくないことがうかがえます。

2.目標設定を「行った」層の納得率は70.1%、「行っていない」層は28.3%にとどまる

では、この評価に対する納得度の違いは、どのような要因から生じるのでしょうか。評価プロセスの入口である「目標設定」の有無別に、先ほどの納得度を比較しました。

目標設定を「行った」層の納得率が70.1%に達したのに対し、「行っていない」層の納得率は28.3%にとどまりました。さらに、「行っていない」層では非納得率が60.2%に上り、目標設定の有無によって納得と不満の割合が明確に逆転する結果となっています。

目標設定の有無によって納得度に明確な違いが表れていることから、評価基準の事前すり合わせが納得感醸成の土台になっていることがうかがえます。今後さらに納得度を高めていくうえでも、まずはこのプロセスを構築することが重要になるといえそうです。

3.「評価通知」があった社員の納得率は7割以上、面談実施で納得感が深まる傾向も

続いて、評価プロセスの出口にあたる、評価や処遇決定後の「結果の伝え方」に焦点を当てます。次のグラフは、自身の給与や評価がどのようなかたちで伝えられたかによって、納得度の比較を行った結果です。

納得率は、「書面等で評価を通知」層が78.3%で最多となり、僅差で「評価通知と面談を実施」層が74.7%で続きました。これらの評価結果の通知があった社員の納得率が7割以上を示したのに対し、「給与・賞与額のみを通知」層は45.8%、「連絡は何もなし」層は27.3%と大きく低下しています。

なお、「非常に納得している」割合に着目すると、「評価通知と面談を実施」層が31.0%で最多となり、「書面等で評価を通知」層の23.9%を上回りました。面談などの対話を通じたフィードバックを行うことによって、社員の納得感が深まるケースもあることがうかがえます。

4.納得できない理由のトップは「金額(44.3%)」、次いで「反映ルールが不明瞭(37.1%)」が続く

人事評価のプロセスによって納得度が左右される実態が見えてきましたが、現状の評価に不満を抱いている層は、具体的にどのような点に納得がいっていないのでしょうか。最後に、評価に「納得していない」と回答した人を対象に、その理由を質問した結果を紹介します。

不満の理由として最も多かったのは、「給与・賞与の金額そのものが低いから」で44.3%となりました。次いで、「評価結果がどう給与・賞与に反映されたかのルールが不明瞭だから」が37.1%、「成果や頑張りが正当に評価されていないと感じるから」が30.8%、「評価の基準が明確にされていないから」が30.0%と続いています。

報酬額への不満が最多となる一方、評価プロセス等の透明性に関する不満も約3〜4割に上ります。成果と処遇の繋がりが見えない「ブラックボックス」の状態も納得感低下の一因となっており、評価の透明性をいかに担保するかが、納得感を高めるための重要な課題といえそうです。

【参考データ】20〜30代に見る「納得できない理由」の特徴

全体の傾向としては金額に対する不満が最多でしたが、これからの組織を担う若手・中堅層においてはどのような特徴があるのでしょうか。以下は、納得できない理由を20〜30代に絞って集計した結果です。

20〜30代では、「成果や頑張りが正当に評価されていないと感じるから」が37.7%となり、全体から6.9ポイント上昇して最多となりました。一方、全体トップの「給与・賞与の金額そのものが低いから」は、10.7ポイントの低下を示しています。若い年代においては、仕事ぶりを丁寧に評価することがより重要になる様子がうかがえます。

まとめ:社員の納得感を引き出し、組織の持続的な成長へ

本調査を通して、中小企業において人事評価に不満を抱く正社員が少なからず存在している現状が見えてきました。その背景には、給与額への不満に加え、評価の基準やルールが見えない「ブラックボックス」な状態も影響しているようです。

一方で、納得度を高める要因としてデータから確認できたのは、基準を明確にし、結果を適切に伝える「評価プロセス」の存在です。透明性の高い仕組みのなかで評価を行い、社員一人ひとりと向き合う姿勢が、結果の受け止め方に大きな違いを生み出すと考えられます。

こうしたプロセスを通じて得られる納得感は、社員の主体的な行動を促す原動力となります。個人のモチベーションを組織全体のパフォーマンス向上へと結びつけるためにも、誰もが理解できる評価の仕組みを運用していく視点が今後ますます重要になっていくでしょう。

本調査結果をそのまま転載する場合を除き、調査結果の内容・グラフ・データなどを引用される場合は、出典元として本記事のURLをご記載いただくようご協力をお願いいたします。

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :正社員数10~100名未満の中小企業に所属する20歳~59歳の正社員
調査期間 :2026年3月3日~10日
有効回答 :267名

※人事評価の現状を正確に把握するため、調査対象者は直近1年間に人事評価または給与・賞与の決定(現状維持を含む)の機会があった人に限定しています。
※本リリースでは、労働力調査および事前スクリーニング結果から推計した「正社員数10~100名未満の中小企業に所属する正社員」の性年代別構成比に合わせて、ウェイトバック集計を行っています。

FirstHRで貴社にとって最適な人事制度を設計してみませんか?

お気軽にお問い合わせください

FirstHR編集部は、人事制度設計や評価運用をはじめとした人事領域に関する情報を発信しています。 実務に活かせる学びや考え方を大切にしながら、企業や人事担当者の皆さまに役立つコンテンツをお届けしています。

関連記事