【社内制度の意識調査】社員が嫌う制度トップは「人事評価」で約3割。一方で「フィードバックがほしい」という本音も
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社員の納得感を高め、成長を支えるはずの人事評価制度。しかし、その仕組みが現場では負担として受け止められてしまうこともあります。こうした社内制度は、本当に組織を支える役割を果たせているのでしょうか。
そこで、社内制度に対する社員の意識や本音を把握するため、全国の20歳~49歳の正社員262名を対象に調査を実施しました。
本調査の結果、「人事評価」という制度に不満を抱く社員が多い一方で、自身の成長や納得感に繋がる対話の機会は前向きに求めている傾向が見られました。
【本調査における主な結果】
・嫌いな社内制度トップは、正社員の約3割が挙げた「人事評価」
・人事評価を嫌う理由のトップは「フィードバック不足」で約4割を占める
・人事評価が嫌いでも、7割以上が「上司との面談はプラスになる」と回答
※調査方法や対象者などの詳細については、後述の「調査の実施概要」をご覧ください。
目次
主な調査結果
1.正社員の29.3%が「人事評価・査定」を嫌いな社内制度に挙げる、「社内行事」「人事異動」を上回り最多
日々の業務において、会社が定める様々なルールや仕組みは欠かせないものですが、働く側にとっては時に負担や不満の種になることもあります。次のグラフは、正社員を対象に、社内制度やルールのなかで「嫌い」と感じるものを質問した結果です。

最も多くの人が「嫌い」と感じている社内制度は「人事評価・査定(目標・自己評価の入力、評価通知など)」で、29.3%に上りました。次いで、「社内行事・イベント参加(社員旅行、社内懇親会など)」が24.7%、「人事異動・転勤(定期的なジョブローテーションなど)」が24.1%、「研修・自己啓発(時間外の研修、レポート提出など)」が24.0%と続いています。
業務外の拘束を伴うこともある「社内行事」や、生活環境への影響が大きい「人事異動」などを上回り、「人事評価・査定」が最多となりました。本来、自身の努力が報われ、適切な処遇につながるはずの仕組みが、かえって働く側の不満の対象になることがあるようです。
2.人事評価を嫌う理由は「フィードバックが不十分」が37.2%で最多、「基準の曖昧さ」など不透明な運用に不満が集まる
では、具体的に人事評価のどのような点に不満を抱いているのでしょうか。先ほどの質問で「人事評価・査定」が嫌いと回答した人を対象に、その理由について質問しました。

最も多かった回答は「評価理由の説明やフィードバックが不十分」で37.2%となりました。次いで「成果や努力が給与や賞与に十分反映されない」が33.7%、「評価基準が曖昧で、何を頑張ればよいかわからない」が32.1%と続いています。
上位の回答を見ると、評価結果の根拠が十分に示されないことや、判断基準が見えにくいといった、企業側のコミュニケーション不足に関する項目が並んでいます。人事評価が嫌われる主な要因は、制度に伴う手続きの煩雑さや仕組みそのものへの抵抗感といったこと以上に、自身の評価に対する納得感の欠如や、不透明な運用にあることがうかがえます。
3.人事評価が嫌いでも、74.2%が上司との面談は「プラスになる」と回答
評価の仕組みや運用に不満を感じる人が多い一方で、その土台となる「対話」についてはどのように受け止めているのでしょうか。引き続き「人事評価・査定」が嫌いと回答した人を対象に、上司との面談(フィードバックや目標・キャリアについての話し合い)の機会が自身の成長にとってプラスになると思うか質問しました。

「非常にプラスになる」が26.0%、「どちらかといえばプラスになる」が48.2%となり、これらを合わせた74.2%の人が面談の機会を肯定的に捉えている結果となりました。一方で、「全くプラスにならない」は2.2%、「あまりプラスにならない」は14.9%にとどまっています。
人事評価の仕組みには不満を抱きつつも、その大半が上司との対話そのものは自身の成長に役立つと考えていることがわかります。社員は評価されること自体を否定しているわけではなく、むしろ自身のキャリアや評価の根拠について、納得感のある対話を求めている状況が見えてきました。
4.面談を前向きに捉える社員の43.5%が、人事評価の「フィードバック不足」に不満
上司との面談に前向きな人たちは、人事評価のどのような点に不満を抱いているのでしょうか。最後に、面談は自身の仕事や成長にとって「プラスになる」と回答した人に絞って、人事評価を嫌う理由を改めて分析しました。

最も多かったのは「評価理由の説明やフィードバックが不十分」で43.5%に上りました。これは、人事評価を嫌う人全体の割合(37.2%)を上回っています。また、「評価基準が曖昧で、何を頑張ればよいかわからない」も39.6%となり、全体(32.1%)と比較して高い割合となっています。
上司との対話に前向きな人ほど、現状の評価に対するフィードバック不足や、基準の不透明さに対して不満を感じやすい傾向があるようです。自身の成長に繋がる対話を期待しているからこそ、評価に対する十分な説明が不足している現状への不満が大きくなりやすくなると考えられます。
【参考データ】年代別にみる「上司との面談」への期待値の高さ
面談を自身の成長にプラスと捉える傾向は、世代によって違いはあるのでしょうか。次のグラフは、正社員全体を対象に上司との面談がプラスになるか質問した結果を、年代別に集計したものです。

世代を問わず過半数が肯定的に捉えていますが、「プラスになる(非常に+どちらかといえば)」と回答した割合は、20代で73.8%、30代で68.1%、40代で64.1%と、若い年代ほど高くなる傾向が見られます。特に「非常にプラスになる」は、20代が25.0%と他の年代を大きく上回っており、期待値の高さを読み取ることができます。
まとめ:制度の形骸化を防ぐ「透明性」と「対話」の重要性
今回の調査から、人事評価への不満は、制度そのものよりも「フィードバックが足りない」といった運用面に向けられている現状が見えてきました。目標を設定して終わりにするのではなく、評価の理由を丁寧に説明し、納得感を持ってもらうことの重要性がうかがえます。
また、評価制度に不満を抱く一方で、上司との対話そのものは「成長の機会」として前向きに捉える社員が多いこともわかりました。特に若い年代においてこの傾向は強く、納得できるフィードバックへの期待の高さが表れています。
これらの結果は、評価制度を単なるルールとして終わらせず、現場でしっかりと「対話」を重ねていくことの大切さを示しています。日々の誠実なコミュニケーションを通じて評価の透明性を高めていく視点が、これからの組織づくりにおける重要な鍵となるでしょう。
本調査結果をそのまま転載する場合を除き、調査結果の内容・グラフ・データなどを引用される場合は、出典元として本記事のURLをご記載いただくようご協力をお願いいたします。
調査の実施概要
調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者 :20歳~49歳の正社員
調査期間 :2026年3月23日~3月25日
有効回答 :262名
※本リリースでは、総務省の労働力調査における正規の職員・従業員の性年代別構成比に合わせて、ウェイトバック集計を行っています。
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執筆者
FirstHR編集部
FirstHR編集部は、人事制度設計や評価運用をはじめとした人事領域に関する情報を発信しています。 実務に活かせる学びや考え方を大切にしながら、企業や人事担当者の皆さまに役立つコンテンツをお届けしています。


