FirstHR logo

【中小企業経営者の意識調査】人事評価制度に関心があっても、約8割が「予定なし」──足踏みする原因から、解決へのヒントを探る

  • 調査レポート
  • モチベーション
  • 評価
eyecatch

働き方の多様化が進む現在、従来の感覚的なマネジメントだけでは、社員の貢献を十分に評価しきれない場面も増えています。中小企業においても、人材の流出を防ぎ、意欲を引き出すための土台として、人事評価制度への関心が高まりつつあります。

そこで、人事評価制度の導入状況や、未整備の企業が抱える制度構築のハードルを把握するため、正社員10名~50名未満の企業の経営者・役員を対象に調査を実施しました。

本調査の結果、評価制度の導入に対する前向きな意向がありながらも、実行フェーズにおいて実務的な壁に直面し、取り組みが停滞してしまう現状が見えてきました。

【本調査における主な結果】
・人事評価制度がない企業、経営層の半数近くが今後の導入に「関心あり」
・制度導入に関心があるものの、約8割が実際の整備時期について「未定・予定なし」
・導入するうえでのハードル、約3割が「自社に合った基準の作り方がわからない」と回答

※調査方法や対象者などの詳細については、後述の「調査の実施概要」をご覧ください。

主な調査結果

1.正社員数10〜50名未満の中小企業、経営層の44.6%が「人事評価制度なし」と回答

組織運営の基盤となる人事評価制度は、中小企業においてどの程度整備されているのでしょうか。はじめに、正社員数10〜50名未満の企業の経営者・役員を対象に実施した事前調査から、制度の導入状況について質問した結果を紹介します。

自社に人事評価制度が「ある」と回答した割合は53.7%と半数を超えた一方で、「ない」と回答した割合も44.6%に上っています。人材の定着や育成に向けた取り組みが重視されるなかで、その土台となる人事評価の仕組みが整っていない中小企業も少なくないことがわかります。

2.制度未導入企業、経営層の46.5%が今後の導入に「関心あり」

人事評価制度が未整備な企業において、経営層は今後の制度づくりについてどのように考えているのでしょうか。同じく事前調査より、自社に制度が「ない」と回答した経営者・役員を対象に、今後の導入に対する関心度を集計した結果です。

今後の導入について、「やや関心がある(38.6%)」と「非常に関心がある(7.9%)」を合わせた46.5%が関心を示しています。現状は評価の仕組みがない企業においても、今後の制度整備に向けた前向きなニーズがあるといえそうです。

3.導入に関心を持つ理由は「モチベーション向上」が48.8%で突出、2位は「離職防止」で22.5%

ここからは、事前調査において制度導入に「関心がある」と回答した経営者・役員を対象に実施した、本調査の結果を見ていきます。まずは、自社への人事評価制度導入に関心を持っている理由について質問した結果です。

最も多かったのは、「従業員のモチベーションや業績を向上させるため」で48.8%に上りました。これに「従業員の離職を防ぐため」が22.5%、「働き方の多様化により、従来の評価が難しくなったため」が20.9%で続いています。

2位以下に大きく差をつけて、「モチベーション向上」が高い割合を示す結果となりました。人材不足が深刻化するなかで、今いる社員の意欲を高め、最大限に活躍してもらうことが、特に強く意識されているのかもしれません。

4.制度導入の時期は76.7%が「未定・予定なし」、関心を持ちつつも足踏み状態

このように制度導入への前向きな意向が見られる一方で、実際の導入に向けた動きはどの程度進んでいるのでしょうか。続いて、現在の導入・整備の時期や予定について質問を行いました。

「具体的な導入・整備の予定はない」が39.5%、「導入・整備に向けて検討しているが、時期は未定である」が37.2%となりました。この2つを合わせて、76.7%が具体的な時期や予定を定めていない状態にあります。一方で、「すでに具体的な導入・整備を進めている」は10.1%、「1年以内に導入・整備を開始する予定である」は11.6%にとどまりました。

制度導入への関心はあるものの、多くの企業で具体的な予定が立っていないことがわかります。前向きな意向が、実際の計画策定や整備の着手といった具体的な行動には結びついておらず、足踏みしている状況がうかがえます。

5.制度導入のハードル、「自社に合った評価基準の作り方がわからない」が31.0%で最多

それでは、具体的にどのようなことが制度構築に向けた行動を阻む要因となっているのでしょうか。次のグラフは、新しく制度を導入・整備するうえでのハードルや悩みについて質問した結果です。

「自社に合った評価基準の作り方がわからない」と回答した割合が31.0%に上り、最多となりました。次いで「評価者(管理職)のスキル不足や育成への不安」が26.4%、「制度設計のノウハウを持つ人材がいない」と「導入後の運用(目標管理や面談など)ができるか不安」がそれぞれ24.0%で続いています。

自社の実情に合わせた基準をどのように作ればよいかという、制度を設計する段階の悩みが最も多く挙げられています。専任の人事担当者を配置することが難しい中小企業において、まずはこうしたノウハウの不足が、実際の導入に向けた動きを鈍らせる要因になっていると考えられます。

まとめ:初めての制度づくりにおけるハードルと、外部サポートの活用

今回の調査から、正社員10〜50名の中小企業において、およそ半数が人事評価の仕組みを持たない実態と、制度づくりへの前向きなニーズが見えてきました。人材定着に向けて新たな環境整備を望みながらも、ノウハウ不足から「最初の一歩」を踏み出せずにいるケースが少なくないようです。

とくに、初めて評価の仕組みを導入する企業にとって、自社の実情に合わせた骨組みをゼロから設計することは、決して容易な課題ではありません。担当者のリソースが限られるなかで具体的な進め方を見出せないことが、本格的な導入検討を阻む大きな要因になっていると考えられます。

こうした実行段階でのハードルを乗り越えるためには、自社だけで抱え込まず、外部のサポートをうまく取り入れることも有効な選択肢になるかもしれません。適切なサービスを活用しながら、まずは自社に合った基準を形にすることが、社員が納得して活躍できる組織づくりに向けた確実な前進となるはずです。

本調査結果をそのまま転載する場合を除き、調査結果の内容・グラフ・データなどを引用される場合は、出典元として本記事のURLをご記載いただくようご協力をお願いいたします。

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :
インターネット調査(アイブリッジ株式会社「Freeasy」)
対象エリア:
日本全国
調査期間 :
【事前調査】2026年3月6日~3月19日
【本調査】2026年3月26日~3月28日
対象者および有効回答数:
【事前調査】正社員10名~50名未満の企業の経営者・役員 847名
【本調査】上記のうち、自社に人事制度がなく、新規導入に関心を持つ129名

※この調査は、人事評価制度の導入・見直しが行われる場合に、「決裁権がある」または「検討に関与する」経営者・役員を対象に実施しました。

FirstHRで貴社にとって最適な人事制度を設計してみませんか?

お気軽にお問い合わせください

FirstHR編集部は、人事制度設計や評価運用をはじめとした人事領域に関する情報を発信しています。 実務に活かせる学びや考え方を大切にしながら、企業や人事担当者の皆さまに役立つコンテンツをお届けしています。

関連記事